ベリー系ドライフルーツのような香りと、のうぜんかずらのようなフローラルな香り、柑橘フルーツのような爽やかさと、ベリー系のような甘味、フルーティでありフローラルな複雑なアロマとフレーバーです。ひとくちめから最後まで甘さを感じさせるコーヒーです。
甘味 |
★★★★★★★★ |
コク |
★★★★★★ |
まろやかさ |
★★★★★★ |
香り |
★★★★★★★ |
酸味 |
★★★ |
苦味 |
★★★★ |
★印8段階、オススメ焙煎での評価です。
コーヒー豆 データ
農園名 |
リモンシリョ農園 |
農園主 |
エルイン・ミエリッヒ |
エリア |
マタガルパ |
品種 |
イエローパカマラ |
プロセス |
ナチュラル・ワイニー・プロセス |
標高 |
950m〜1350m |
オススメ焙煎 |
中煎り |
名門ミエリヒ家のコーヒー
ニカラグアは、中米の中央部に位置し太平洋と大西洋の間にあり両方の大海に面しています。北にホンジュラス、南はコスタリカに接しています。中米最大の面積を持ち西部は山岳地帯で東部にはジャングルが広がっています。リモンシリョ農園は、ニカラグアの中部に位置するマタガルパ県にあります。マタガルパ県には、イサベリア山脈やダーレン山脈があり、標高の高い地域です。一般的なニカラグア・マタガルパ県のコーヒー生産は、標高700m〜1200m程度で行われております。リモンリショ農園では、やや標高が高めの950〜1350mでコーヒー生産が行われています。熱帯の南米で、標高の高い所は昼夜の寒暖の差が大きくなります。このような過酷な状況では、コーヒーの樹は種子であるコーヒーの豆を守ろうと実が栄養をたくさん蓄えます。栄養をしっかり蓄えたコーヒーの実はコーヒー豆に栄養をたくさん与え、上質のコーヒー豆を育てます。
リモンシリョ農園のオーナーであるミエリヒ家とコーヒーの歴史は古く、1888年に遡ります。 ドイツの地質学者だったブルーノ・ミエリヒ氏が、地質調査と鉄道建設のサポートのためにマタガルバに到着したのが1888年です。その貢献にニカラグア政府はマタガルバの北の高地を彼に与えました。そこにコーヒーを植えたのがマタガルバ地域のコーヒーの歴史の始まりです。リモンシリョ農園は、熱帯雨林を髣髴とさせる山奥の山林に位置しています。美しく管理された木々や竹林、コーヒーの佇まいは、あたかも庭園のような趣き。シンボルともいえる滝からもたらされる豊富な水資源と湿度が、この農園の特徴的なテロワールを生みだします。
ニモンシリョ農園は、収穫されたコーヒチェリー(果実)からコーヒー生豆を完成させる全ての工程を行うことのできる乾燥施設・ドンエステバンミルを所有します。これはニカラグアでは非常に珍しく、収穫したコーヒーチェリーに迅速で的確な精製処理をすることができ、高品質なコーヒーを作りあげることに繋がっています。ドンエステバンミルは、ニカラグアで初めてのフルトレーサビリティの乾燥施設で、精製したコーヒー生豆には、トレーサビリティカードが発行され、厳密な管理がされています。地面はパティオではなく、黒い寒冷紗のようなシートが張られ、空気と水分が通過するようにされています。2013 年には、ビニールハウス3段アフリカンベッドを建設し、ここでスペシャルティコーヒーの乾燥を行っています。アフリカンベッドとは、木や鉄製の枠を組み、そこにネットを張った乾燥棚のことで、ネットの下側からも風が入ることによって乾燥が均一になり、品質の高いコーヒー豆を作りあげることが可能になります。その工程は、まず2日ほど、黒いシートの上で乾燥させ、その後3段アフリカンベッドの上段で数日、その後中段(少し日陰)で数日乾燥させるという方法が採られています。このようなキメの細かい乾燥方法も、リモンシリョ農園の品質の良さを裏付けています。
近年注目のパカマラの稀少種イエローパカマラ
パカマラはエルサルバドルで開発された新しいコーヒー品種です。エルサルバドル国立コーヒー研究所(ISIC)は良質のコーヒー品種を作り出すべく品種改良の研究を開始し、1958年に生み出したのがパカマラです。さまざまな品種の中から複数の品種を掛け合わせ、辿り着いたのがパカス種とマラゴジッペ種でした。マラゴジッペは、1898年にブラジルで発見されたティピカ種の突然変異種で、柔らかい酸味と甘味が特徴で、通常のコーヒー豆よりかなり大粒な稀少品種です。パカスは、1956年にエルサルバドルで発見されたブルボン種の突然変異種で、小粒ながらも丸みのあるコクとスッキリした甘酸っぱさが特徴の品種です。これら2つの品種を掛け合せたのが、エルサルバドルの新品種パカマラです。パカマラはコーヒーの果実も豆も大粒で、華やかでフルーティな香味を持っており、近年は世界で最も注目を浴びるコーヒー品種の1つになりました。パカマラの中でも突然変異で誕生したイエローパカマラは、更に稀少性が高く、フルーティな香味が強いのが特徴です。
ナチュラル・ワイニー・プロセス
リモンシリョ農園は、収穫されたコーヒチェリー(果実)からコーヒー生豆を完成させる全ての工程を行うことのできる乾燥施設・ドンエステバンミルを所有しています。これはニカラグアでは非常に珍しく、収穫したコーヒーチェリーに迅速で的確な精製処理をすることができ、高品質なコーヒーを作りあげることに繋がっています。ドンエステバンミルは、ニカラグアで初めてのフルトレーサビリティの乾燥施設で、精製したコーヒー生豆には、トレーサビリティカードが発行され、厳密な管理がされています。このイエローパカマラ・ワイニープロセスは、エル・リモンシリョ農園で育まれた素晴らしいテロワールをもったイエローパカマラ種を、ナチュラル・ワイニー・プロセスという特殊な精製方法で仕上げたコーヒー豆です。濃い黄色に完熟したイエローパカマラのコーヒーの実を、丁寧に一粒ずつ手摘みし、果実のまま天日干しにするナチュラル製法で乾燥させました。コーヒーの実を丸ごと乾燥させるナチュラル製法で作ったコーヒーは、完熟した果肉の糖分が豆に移り、コーヒーに甘味をもたらします。更に、通常のナチュラル製法での乾燥とは違い、コーヒーの果肉に発酵を加えるワイニープロセスという工程を取り入れました。それにより、ベリー系のドライフルーツや赤ワインのような独特の甘い香りが特徴的な素晴らしい香味を持ったコーヒーに仕上げました。
木や鉄製の枠を組み、そこにネットを張ったアフリカンベッドと呼ばれる乾燥棚を採用しました。ネットの下側から風が入ることによって乾燥が均一になり、品質の高いコーヒー豆を作りあげることが可能になります。しかし、乾燥むらをなくすために手間をかけ、何回も均一に混ぜなければならず、難しい技術と労力が必要です。ナチュラル製法の中でもコーヒーの果肉に発酵を加えるという特殊なワイニープロセスという乾燥は、発酵の状態の見極めが非常に難しく、リモンシリョ農園の高い技術があって初めて完成させることが出来ると言えます。