完熟チェリーやラズベリーのような甘味と酸味のバランスが絶妙で、カシスやレーズンのような甘い香りのあるコーヒーです。苦味が少なく、後口に綺麗な甘さが広がる飲みやすいコーヒーです。
甘味 |
★★★★★★★★ |
コク |
★★★★★ |
まろやかさ |
★★★★★★ |
香り |
★★★★★★★★ |
酸味 |
★★★★★ |
苦味 |
★★★ |
★印8段階、オススメ焙煎での評価です。
コーヒー豆 データ
農園名 |
エル・マハール農園 |
農園主 |
ロベルト・ムナイ・メサ |
エリア |
ソンソナテ |
品種 |
ブルボン |
プロセス |
ナチュラル・ワイニー |
標高 |
1550〜1700m |
オススメ焙煎 |
中煎り |
高品質なコーヒーを育む最高の環境
エルサルバドルは中央アメリカ中部に位置し、グァテマラ、ホンジュラス、ニカラグアと国境を接しています。南と西は太平洋に面していますが、中央アメリカ5カ国の中でカリブ海に面していない唯一の国がエルサルバドルです。アメリカ大陸の中で最も小さな国で、面積は四国ほどしかありません。1993年に内戦が終結してからは、平和への道を着実に歩んでいます。エル・マハール農園は、エルサルバドル西部ソンソナテ州のロスナランホス山脈の裾野にあります。1936年に始まったエル・マハール農園は、現在3代目のロベルト・ムナイ・メサ氏に引き継がれており、ブルボン種を中心に丁寧なコーヒー栽培を行っています。自然豊かな環境にあるエル・マハール農園のマイクロクライメット(局所的気候)と地勢(地形や土壌など)がもたらすテロワール(環境がもたらす個性豊かな風味)は素晴らしく、2014年のコーヒーコンテストであるカップ・オブ・エクセレンス(COE)では入賞を果たしています。豊かな自然があってこそ素晴らしいコーヒーが生産出来ると考えるメサ氏は、143haの農園面積の約60%はコーヒー栽培を、残りの40%は自然のままの森林を維持するなど環境保全にも力を注いでいます。
ブルボンのナチュラル・ワイニー・プロセス
環境がもたらすテロワールだけでなく、徹底した品質管理と高い技術があってこそのCOE入賞ですが、その徹底ぶりは随所に見られます。完熟したコーヒーチェリーのみを収穫した後、再選別を繰り返すことでコーヒーチェリーの熟度の均一化を図ったり、生産処理を終えた生豆をCOE国際審査員を務めるカッパーによって格付し、収穫日ごとに管理をするなど品質保持への取り組みをおこたりません。
このコーヒー豆は、真っ赤に完熟したブルボンのコーヒーの実を、丁寧に一粒ずつ手摘みし、果実のまま天日干しにするナチュラル製法で乾燥させました。コーヒーの実を丸ごと乾燥させるナチュラル製法で作ったコーヒーは、完熟した果肉の糖分が豆に移り、コーヒーに甘味をもたらします。更に、通常のナチュラル製法での乾燥とは違い、コーヒーの果肉に発酵を加えるワイニープロセスという工程を取り入れました。これにより、ベリー系のドライフルーツや赤ワインのような独特の甘い香りが特徴的な素晴らしい香味を持ったコーヒーに仕上げました。
木や鉄製の枠を組み、そこにネットを張ったアフリカンベッドと呼ばれる乾燥棚を採用することでネットの下側から風が入り乾燥が均一になり、品質の高いコーヒー豆を作りあげることが可能になります。しかし、乾燥むらをなくすために手間をかけ、何回も均一に混ぜなければならず、難しい技術と労力が必要です。
ナチュラル製法の中でもコーヒーの果肉に発酵を加えるという特殊なワイニープロセスという乾燥は、発酵の状態の見極めが非常に難しく、マハール農園の高い技術があって初めて完成させることが出来ると言えます。