ドライ・ブルーベリーのような甘い香りと、ローズのようなフローラルな香り、ラズベリーやグレープフルーツのような爽やかさと、レーズンのような甘味、フルーティでフローラルな華やかで複雑なアロマとフレーバーです。なめらかで余韻が長く、最後まで甘さを感じさせるコーヒーです。
甘味 |
★★★★★★★★ |
コク |
★★★★★★ |
まろやかさ |
★★★★★★ |
香り |
★★★★★★★★ |
酸味 |
★★★★ |
苦味 |
★★★★ |
★印8段階、オススメ焙煎での評価です。
コーヒー豆 データ
農園名 |
カサ・ブランカ農園 |
農園主 |
セルヒオ・ノエ・オルティス |
エリア |
ヌエバセゴビア・ディピルト |
品種 |
パカマラ |
プロセス |
ナチュラル ワイニー |
標高 |
1100〜1500m |
オススメ焙煎 |
中煎り |
丁寧な選別に裏打ちされたクオリティ
中米の中央部に位置するニカラグアは、太平洋と大西洋の両方の大海に面しています。中米最大の面積を持ち、北にホンジュラス、南はコスタリカに接し、西部は山岳地帯、東部にはジャングルが広がっています。ニカラグア北西部、ホンジュラスとの国境付近に位置するヌエバセゴビアは崖と谷が入り組んだ山岳地帯で、その西部にカサ・ブランカ農園があるディピルト村があります。カサ・ブランカ農園は日当たりが良い標高1082?1506mで谷間の内側にあり、谷間を抜ける風が農園に冷涼な気候をもたらしています。日当たりの良さがコーヒーチェリー(コーヒー果実)の成長を促し、冷涼な風がコーヒーチェリーの糖度を高めてくれるので、熟度の高いコーヒーチェリーの収穫が可能です。カサブランカ農園では1つ1つの工程がしっかりと管理されており、非常に厳密で繊細な精製処理が行われています。完熟チェリーのみをハンドピック、完熟チェリーのみを選別してプールに投入、水路でのチェリーの比重選別、グリーンセパレーターでの選別、アフリカンベットでのハンドピックなど、完璧な選別が行われています。これらの丁寧な選別が高いクオリティのコーヒーを完成させることに繋がっています。
全てはコーヒーのために
オーナーのセルヒオ氏は、創意工夫を以てコーヒー生産に情熱を傾ける非常に魅力的な生産者です。彼はカップ・オブ・エクセレンス(コーヒー品評会)を数々受賞したお父さんからカサブランカ農園を引き継ぎ、コーヒーの生産に従事しました。カップ・オブ・エクセレンスの1位を目指して、時には発酵速度をコントロールするために発酵槽にクーラーを入れたり、ブラジルまで赴き生産処理技術を学び、最高の選別機と言われるピニャレンセ社製の水路選別機を中米で初めて導入したりと最高のコーヒーを生み出す為に心血を注いでいます。また、彼の精製処理方法も独自の方法で行われ、非常に厳密で繊細な生産処理が行われています。
近年注目のパカマラを中米では珍しいナチュラルに
パカマラはエルサルバドルで開発された新しいコーヒー品種です。エルサルバドル国立コーヒー研究所(ISIC)は良質のコーヒー品種を作り出すべく品種改良の研究を開始し、1958年に生み出したのがパカマラです。さまざまな品種の中から複数の品種を掛け合わせ、辿り着いたのがパカス種とマラゴジッペ種でした。マラゴジッペは、1898年にブラジルで発見されたティピカ種の突然変異種で、柔らかい酸味と甘味が特徴で、通常のコーヒー豆よりかなり大粒な稀少品種です。パカスは、1956年にエルサルバドルで発見されたブルボン種の突然変異種で、小粒ながらも丸みのあるコクとスッキリした甘酸っぱさが特徴の品種です。これら2つの品種を掛け合せたのが、エルサルバドルの新品種パカマラです。パカマラは華やかでフルーティな香りを持っており、世界で最も注目を浴びるようになりました。
中米では、収穫したコーヒーチェリーの外皮と果肉を除去し、パーチメントと呼ばれる内果皮が付いたコーヒー豆を水洗し、綺麗に洗った状態で天日乾燥をさせるウォッシュド・プロセスという精製方法が一般的ですが、今回は中米では珍しいナチュラル・プロセスで稀少な新品種パカマラを精製処理しました。ナチュラル・プロセスとは、収穫したコーヒーチェリーをそのまま果実ごと天日乾燥させ、乾燥したあとでカリカリになった外皮、果肉、内果皮を脱穀し、中のコーヒー豆を取り出す精製処理方法です。中米では収穫時期が乾季ではないため、ナチュラル・プロセスで綺麗に乾燥させるには、均一に乾燥させるために攪拌を定期的におこない、コーヒーチェリーが腐敗しないように管理する技術が必要です。そのため、中米では難しい精製処理といえますが、完熟したコーヒーチェリーの甘味や、果実ごと乾燥させることによる独特のフルーツフレーバーなど、ウォッシュド・プロセスでは得ることのできない複雑なコーヒー豆を生み出すことが出来ます。