紅茶のダージリンやジャスミンの花のような華やかな香味を、プラムや杏などのストーンフルーツ、カシスやブラックベリーなどのベリー系で包み込んだような複雑なフルーティノートと甘味があります。ピーカンナッツのような香ばしさもあり、なめらかな舌触りが心地良いコーヒーです。
エスプレッソにもオススメです。(ご注文時に「エスプレッソ用焙煎」をお選びください。)
アイスコーヒーにもオススメです。(ご注文時に「アイスコーヒー用焙煎」をお選びください。)
甘味 |
★★★★★★★★ |
コク |
★★★★★★★ |
まろやかさ |
★★★★★★ |
香り |
★★★★★★★★ |
酸味 |
★★ |
苦味 |
★★★★★★ |
★印8段階、オススメ焙煎での評価です。
コーヒー豆 データ
生産者 |
イルガチャフィコーヒー生産者組合連合コンガ農協 |
エリア |
イルガチャフィ |
品種 |
在来種 |
プロセス |
チュラル・ワイニー・プロセス |
標高 |
1800〜2350m |
オススメ焙煎 |
中煎り |
コーヒー発祥の地のコーヒー
モカコーヒーとして親しまれているエチオピアは、北緯3度から14度、東経33度から48度に挟まれた東アフリカに位置するアフリカ最古の独立国です。雨量が多く、一面を森林が覆う熱帯雨林の広がる熱帯地方に位置してはいますが、その国土面積の大部分は2,000〜3,000メートルのアビシニア高原が広がる涼しい高地で、年間平均気温は13℃と冷涼です。コーヒーの栽培面積は40万ヘクタールほどありますが、自生に近いフォレストコーヒーが中心の小規模農園がほとんどで、全体の約95%を占めているのもエチオピアの特徴です。高原に恵まれたエチオピアはコーヒー発祥の地であり、紀元前1000年にソロモン王とシバ女王により樹立されたソロモン王朝に源を発します。コーヒーの木が森の中や庭先に自生しているこの国には、1000年以上に渡る長いコーヒーの歴史があり、日本の茶道にも似たコーヒーセレモニーは生活に密着した文化となっています。
エチオピア産、もしくはイエメン産のアラビカ種コーヒーは、モカと呼ばれています。モカとは、紅海に面したイエメンの小さな港町のモカに由来します。1628年のある日、オランダの商船がモカ港に立寄り、40袋のコーヒー豆を買い母国に持ち帰りました。これがヨーロッパ人が初めて買ったコーヒー豆で、その後、コーヒーは世界中へと広まりました。このモカ港の名前からモカ、アラビア半島の名前からアラビカ種、それぞれの名前が生まれました。当時はイエメンの対岸のエチオピア産のものも一緒に輸出されたため、エチオピア産のコーヒーもモカと呼ばれるようになりました。
エチオピアのモカコーヒーは、独特のモカフレーバーのコーヒーとして日本では人気の高いコーヒーです。しかし、モカフレーバーが欠点豆の混入でおこる欠点豆フレーバーでもあるという事実は、あまり知られていません。日本では、『モカの持つフレーバー+欠点豆のフレーバー=モカ独特のフレーバー』となってしまっているわけです。日本のコーヒー業界は、このフレーバーをモカ独特の香りだといって販売してきました。試しにモカから欠点豆を完全に取り除くと、あのフレーバーはなくなってしまいます。
コーヒーの香味を損なう欠点豆(未熟豆や虫食い豆など)は、水に浮きます。そのため、コーヒーの果肉を取り除き、パーチメントと呼ばれる薄殻の付いた状態で水洗し乾燥させるウォッシュドプロセスの場合、精製の過程で欠点豆の除去は比較的簡単にできます。しかし、果肉のままカリカリに乾燥させ脱穀するエチオピアの伝統的な乾燥方法であるナチュラルプロセスの場合は、欠点豆の選別は困難です。しかし、この徹底した品質管理を行うことが、本当の意味でのモカを味わうための王道なのです。このイルガチャフィ ワイニー コンガは、ナチュラルプロセスを採用しつつ、徹底的に欠点豆を取り除き、コーヒー豆が持つ本来の香味をクリアに引き出したコーヒー豆です。
エチオピアNo.1産地イルガチャフィの新たな試みワイニープロセス
エチオピア南部に位置するイルガチャフィは、最も際立った個性を持った高品質コーヒーの産地の1つとして世界的に有名です。エチオピアを東西に分断するように走る大地溝帯グレート・リフト・バレーは、地殻活動が活発でコーヒー栽培に適した肥沃な土壌が広がっています。更に、2000mという標高が昼夜の激しい寒暖差を生み出します。この厳しい環境が、種子であるコーヒー豆を守ろうと果実の糖度の熟成を助成し、コーヒー豆にたっぷりと栄養を与えます。このような環境が、高地産コーヒー特有の綺麗な香味をもった華やかなコーヒーを生み出すのです。
コーヒー豆の精製方法は、大きく2つに区分できます。1つは、収穫したコーヒーチェリー(果実)をそのまま天日干し乾燥させ、その後、脱穀してコーヒー生豆を取り出す伝統的なナチュラル・プロセス(非水洗式)です。もう1つの方法は、収穫したコーヒーチェリー(果実)の果肉と外皮を除去し、綺麗に水洗いをしたパーチメント(内果皮)付きのコーヒー生豆を乾燥させ、完全乾燥後にパーチメントを脱穀するウォッシュド・プロセス(水洗式)です。ナチュラル・プロセスでは果肉の甘味がコーヒー豆に移りやすく、ウォッシュド・プロセスではコーヒー豆が持つ本来の風味を楽しむことが出来ます。ナチュラル・ワイニー・プロセスは、ナチュラル・プロセスの乾燥工程の中で、あえてコーヒー果実を発酵させることで、ワイン(果実酒)にも似た風味を付ける比較的新しい精製方法です。コーヒーチェリー(果実)の甘味がコーヒー豆に移ると同時に、ワインやドライフルーツのようなフルーティな香りが特徴的なコーヒー豆に仕上がります。しかしながら、この方法は発酵の状態の見極めが非常に難しく、発酵が少なければフルーティで甘い香りが少なく、発酵が進み過ぎれば腐敗しコーヒーとして利用できなくなってしまいます。
このイルガチャフィ ワイニー コンガは、木や鉄製の枠を組み、そこにネットを張ったアフリカンベッドと呼ばれる乾燥棚で乾燥させています。ネットの下側から風が入ることによって乾燥が均一になり、品質の高いコーヒー豆を作りあげることが可能になります。しかし、乾燥むらをなくすために手間をかけ、何回も均一に混ぜなければならず、難しい技術と労力が必要です。ナチュラル・ワイニー・プロセスは、高い技術と労力があって初めて完成させることが出来る非常に難しい精製方法です。
特殊な精製方法により仕上げられたコーヒーは、プラムや杏などのストーンフルーツ、カシスやブラックベリーなど、複雑なフルーティノートと甘味を持つコーヒーに仕上がりました。