芳醇な独特の香り、濃厚なコクと口当たりの柔らかさ、後口に残る甘い余韻が素晴らしいコーヒーです。
甘味 |
★★★★★★ |
コク |
★★★★★★★★ |
まろやかさ |
★★★★★ |
香り |
★★★★★★★ |
酸味 |
− |
苦味 |
★★★★★ |
★印8段階、オススメ焙煎での評価です。
コーヒー豆 データ
エリア |
スラウェシ島 タナトラジャ |
品種 |
アラビカ |
プロセス |
スマトラ・プロセス |
標高 |
1500m |
オススメ焙煎 |
中煎り |
幻のコーヒー再び
初めてインドネシアにコーヒーが植えられたのは、オランダの植民地時代の1696年のことでした。スラウェシ島には1900年に農園が開かれ、コーヒーの栽培が始まりました。当時は生産量も少なく、地元スラウェシ島とヨーロッパの一部で飲まれていたにすぎませんでした。タナトラジャ産コーヒーは、第二次世界大戦前まではオランダ王室御用達の高級コーヒーとして高い評価を得ていましたが、戦後、インドネシアが独立し、オランダ人が追放され、この地域のコーヒーは徐々に衰退していきます。その後、この地域のコーヒーは、長い間「幻のコーヒー」と言われていました。このコーヒーの産地スラウェシ島タナトラジャ県の「タナトラジャ」とは、トラジャ族の言葉で「高地の人々の地」を意味し、その名の通り標高1000m〜2000mの山岳地帯で、東部インドネシアの拠点マカッサルから約330km、陸路で8時間以上という正に秘境です。この秘境で太陽と自然の恵みを存分に受けて育ったコーヒーは大粒で、同じインドネシアのマンデリンより口当たりが柔らかで、飲みやすさが特徴のコーヒーです。トラジャ族の伝統建築トンコナンの名が付けられたコーヒーは、芳醇な独特の香り、濃厚なコクと口当たりの柔らかさ、後口に残る甘い余韻が素晴らしコーヒーです。
スマトラ・プロセスという乾燥方法
インドネシアのスマトラ島とスラウェシ島でしか見られないスマトラ・プロセスと呼ばれる特殊な乾燥方法で作られたコーヒーは、独特の香味が特徴のこの地域にしかないコーヒーに仕上がります。ナチュラル製法の場合は果実のままで、ウォッシュド製法やパルプドナチュラル製法の場合はパーチメントと呼ばれるコーヒーの種皮つきの状態で、コーヒー生豆の水分量が20%以下になるまで乾燥させ、脱穀を行います。しかし、スマトラ・プロセスの場合は、果肉を除去後のパーチメントの状態でコーヒー生豆の水分量が40〜50%程度の状態で脱穀をしてしまいます。そして、脱穀後にさらにコーヒー生豆の状態で乾燥をかけ、最終的には水分量が20%以下に乾燥させます。世界的に見てもスマトラ・プロセスだけが、パーチメントを取り除いたコーヒー生豆の状態で乾燥を行っています。スマトラ・プロセスで乾燥させたコーヒー生豆が明らかに濃い緑色なのは、この珍しい乾燥方法によるところが大きいです。